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杉原 弘造
JAEA-Review 2022-006, 74 Pages, 2022/05
この資料は、東濃鉱山の歩みを示すひとつの試みとして、日本原子力研究開発機構の研究開発成果検索・閲覧システム(JOPSS: JAEA Originated Papers Searching System)において、「東濃鉱山」でフリーワード検索をかけた際にヒットする研究開発報告書類等の概要を時系列的に整理したものである。2022年2月1日現在、JOPSSで「東濃鉱山」でフリーワード検索をかけると、研究開発報告書類214件、学会誌等掲載論文54件、口頭発表9件がヒットする。ここでは、東濃鉱山の歩みを示す観点から、個別の調査や作業ごとに作成されることの多い研究開発報告書類を中心に整理した。ただし、これらにはウラン探鉱事業の時代のものは、ほとんど含まれない。一方で、JOPSSで検索可能な国内ウラン探鉱事業の成果が取りまとめられている報告書の中に、東濃鉱山やその周辺での探鉱活動を含めた時系列的な記述が見られる。また、旧動力炉・核燃料開発事業団年史にも東濃鉱山に関する時系列的な記述や年表がある。このため、ウラン探鉱事業の時代の東濃鉱山の歩みについては、これらの資料から関係部分を抜粋して示した。
鶴留 浩二; 鈴木 一; 青木 克憲
JAEA-Review 2021-031, 186 Pages, 2021/12
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、2010年度から東濃鉱山閉山措置計画書にしたがって東濃鉱山の閉山措置を進めてきた。東濃鉱山の閉山措置は、鉱業法および鉱山保安法並びに労働安全衛生法などの関連法規に則って作業を行うことになるが、東濃鉱山の閉山措置に関連する技術的事項および周辺環境のモニタリング状況について審議検討を行うため、2013年度から東濃鉱山閉山措置技術検討委員会を東濃地科学センターに設置し、年1回の頻度で、前年度実績と当該年度の計画等について報告し、審議を頂いた。その結果、「閉山措置は計画通り進捗している。また、モニタリングの結果から判断して、鉱山周辺の環境は法令上求められる基準を満たしていると確認できる。」との評価を頂いた。本資料は、2013年度から2019年度にかけて開催した8回の委員会の会議資料を取りまとめたものである。
尾上 博則; 小坂 寛*; 松岡 稔幸; 小松 哲也; 竹内 竜史; 岩月 輝希; 安江 健一
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 26(1), p.3 - 14, 2019/06
高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価は、処分施設閉鎖後、数万年以上に及ぶ時間スケールを対象として実施される。そのため、長期的な自然現象による影響を考慮した地下水の流速や移行時間といった地下水流動状態の長期変動性の評価技術の整備は重要な技術開発課題である。本研究では、長期的な自然現象のうち隆起・侵食による地形変化や気候変動に着目し、それらに対する地下水流動状態の変動性を、複数の定常解析結果に基づく変動係数で評価可能な手法を構築した。岐阜県東濃地域を事例とした評価手法の適用性検討の結果、過去100万年間の地形変化や涵養量の変化による影響を受けにくい地下水の滞留域を三次元的な空間分布として推定した。本評価手法を適用することで、地層処分事業の評価対象領域において、地形変化や気候変動に対する地下水流動状態の変動性が小さい領域を定量的かつ空間的に明示することができる。さらに、岐阜県東濃地域における事例検討結果を踏まえて、外挿法を用いた地下水流動状態の変動性の将来予測の基本的な考え方を整理するとともに、将来予測手法の適用可能な時間スケールについて考察した。
濱 克宏; 谷口 直樹; 本田 明
JNC TN7430 2000-002, 25 Pages, 2001/01
地下水中に金属材料が存在する場合の,地質環境への影響と金属材料の耐久性を評価する目的で,東濃鉱山坑内の花崗岩岩盤中において,非加熱条件での10年間の浸漬試験を実施した。平板状(30302tmm)の金属試験片(軟鋼および工業用純チタン)を有孔の容器に入れ地下水に浸漬させた。本報告書では,金属材料の耐久性を調査するために,所定の期間後に回収した試験片の外観観察,軟鋼試験片についてはその重量変化の測定,各種方法による腐食形態および腐食生成物の観察・分析の結果を示す。主な結果は以下のとおりである。(1)軟鋼試験片の重量減少量から,10年間の平均腐食速度は4.3610-3mm/yと求められた。(2)軟鋼試験片の腐食生成物は,緻密な皮膜状の物質の上に,多孔質な物質が堆積している形態であった。皮膜状の物質はマグネタイト等の2価の鉄を含む鉄酸化物,多孔質な物質はゲーサイトなどの3価の鉄を含む鉄酸化物でそれぞれ構成されることが分かった。(3)チタン試験片は試験開始時の研磨痕が保持されており,局部腐食等の発生は観察されなかった。
濱 克宏; 三ツ井 誠一郎; 青木 里栄子*; 広瀬 郁朗
JNC TN7430 2000-001, 47 Pages, 2000/12
地下水中にガラス材料が存在する場合の、地質環境への影響とガラス材料の耐久性を評価する目的で、東濃鉱山坑内の花崗岩岩盤中において、非加熱条件での10年間の浸漬試験を実施した。試験は、立方体および円柱形(外周をステンレス鋼で被覆)に切り出した試料をそれぞれ有孔の容器に入れ地下水に浸漬する方法(単独系)、粘土を充填した有孔の容器に試料を包埋して地下水に浸漬する方法(共存系)、また無孔の容器に地下水と試料を入れ坑道に静置する方法(静的浸漬試験)の3通りの条件で実施した。本報告書では、ガラス材料の耐久性を調査するために、所定の期間で回収した試料の重量変化の測定、試験期間が10年間の試料の各種方法によるガラス表面変質層の観察・分析結果を示す。主な結果は以下のとおりである。(1)試験開始時、試験終了時において地下水水質に有意な変化は認められなかった。(2)試料の重量減少量は試験期間にほぼ比例した。これは試験期間を通じて地下水の溶存ケイ酸濃度に大きな変化がなかったことに起因すると考えた。(3)立方体と円柱形の試料の重量減少量に差が認められた。これはステンレスの影響ではなく、ガラスの亀裂からの浸出に起因すると考えた。(4)共存系の重量減少量は単独系の8割程度であった。これは粘土に包埋した条件では試料近傍の溶存ケイ酸濃度が高いため溶解速度が低下したことが要因であると考えた。
小出 馨; 中野 勝志; 竹内 真司; 濱 克宏; 松井 裕哉; 池田 幸喜; 杉原 弘造
JNC TN7400 2000-014, 83 Pages, 2000/11
核燃料サイクル開発機構(以下、サイクル機構という)の東濃地科学センターでは、地層処分研究開発の基盤となる深部地質環境の科学的研究を地層科学研究として実施している。この研究の一環として、広域における地質環境、特に地下水の流動と地球化学的性質を把握するための体系的な調査・解析技術の開発を重要な研究課題として、「広域地下水流動研究」を平成4年度から岐阜県土岐市にある東濃鉱山およびその周辺域を研究開発の場として実施している。本研究では、開始後の5年間(平成4年度平成8年度)までは、主として調査・解析に関する要素技術の開発とその有効性・適用性の確認に主眼を置いた研究が行われ、深度1000m対応の水理試験装置・採水装置などをはじめ、深部地質環境の特性を把握するための調査機器・手法が実用化された。その後は、要素技術の開発と並行して、広域を対象とした地下水の流動および地球化学的性質に関する研究を通して、地質環境調査技術の体系化に向けた研究開発が進められている。これまでに、約10km四方の研究実施領域を対象にリモートセンシング調査、空中物理探査、地上物理探査、地表地質調査、表層水理調査、試錐調査および地下水長期観測が実施された。これにより、表層地質の分布、花崗岩体の岩相(粒度・鉱物組成)の不均質性などの地質学的情報、花崗岩の透水性や地下水の水頭分布などの水理学的情報、花崗岩中における地下水の水質形成機構などの地球化学的情報が得られている。さらに、これらの調査研究を通して、地質環境を調査するための方法論や個々の手法について、技術的知見や経験が蓄積されている。これらの調査・研究成果は、深部地質環境のデータとしてサイクル機構が平成11年度に国へ提出した地層処分研究開発成果の第2次取りまとめに反映されると共に、大学などの外部研究機関の研究活動にも活用されている。今後は、地層処分の安全規制などの科学的・技術的根拠となるよう研究を進める計画である。
松井 裕哉; 濱 克宏; 太田 久仁雄; 齊藤 宏; 杉原 弘造
JNC TN7410 2000-004, 16 Pages, 2000/04
None
松井 裕哉; 前田 信行; 瀬戸 政宏*
JNC TY7430 2000-001, 57 Pages, 2000/03
大規模地下空洞や大深度地下構造物の建設は、空洞周辺岩盤が本来持っている力学的・水理学的な物性を変化させ、空洞の安定性や地下水流動へ影響を及ぼす。資源環境技術総合研究所とサイクル機構は、岩盤の力学的安定性に関する調査方法や評価方法をテーマとして、平成元年度より共同研究を実施している。平成10年度から第4フェーズとして、岩盤空洞の安定性に関する評価方法の検討というテーマで、主として掘削影響領域を評価するための基礎データとなる初期応力状態や二次応力状態の計測・評価手法などについて検討することとした。本年度は、東濃鉱山の地表から掘削した深度約200mのボーリング孔において、AE法、DRAによる三次元初期応力測定およびAE法と水圧破砕法による初期応力測定を実施し、三次元的な初期応力状態を把握するとともに初期応力状態の評価手法の適用性について検討した。それらの結果の概要について、以下に述べる。・鉛直方向の応力値は、堆積岩部では推定される土被り圧とほぼ等しく、花崗岩部ではそれより少し大きい。・水平最大主応力値は、深度と共にほぼ直線的に増加し、その勾配は花崗岩部の方が大きい傾向にあった。・水平最大主応力値は、堆積岩部では概ねN-SN45 Wで、花崗岩部ではほぼN45°W方向であった。・応力環境については、堆積岩部で遷移型(H=h)、花崗岩部では遷移型もしくは横ずれ断層型(HhV)の応力環境であった。・今回用いたAE法、DRAおよび水圧破砕法は初期応力測定手法としての適用性があり、AE法と水圧破砕法を組み合わせた三次元的な応力状態の評価方法は有効であることが示された。
遠山 茂行*; 若松 尚則; 岡崎 彦哉
JNC TJ7440 2000-018, 55 Pages, 2000/03
核燃料サイクル開発機構(以下、サイクル機構)では、東濃鉱山周辺地域を対象に、地表から地下深部にかけて地下水流動に関する研究を行っている。その研究の一環として、本業務では、正馬様用地内における表層地質のうち、瑞浪層群の水理地質構造および地下水挙動を把握することを目的に、試錐調査および電気検層、多点温度検層、水理試験(岩盤湧水圧測定)を実施し、長期的な地下水位観測が行えるよう、地下水位計および地下水位データのテレメータ集中管理システム用ロガ-の設置を含む観測井戸の設置を行った。試錐調査結果(99MS-05孔;孔口標高221.31m、掘削深度42.8m)から、観測井戸の掘削位置では、G.L.-6.10mまでは砂礫層からなる崖錐堆積物が分布し、その下位に瑞浪層群の明世累層凝灰質砂岩、明世累層基底礫岩、土岐夾炭累層泥岩が分布すること、G.L.-40.9mより深部はマサ状に強風化した土岐花崗岩が分布することが明らかになった。多点温度検層結果によると、G.L.-2930m、-3031m、-33m、-35.5m、-4144m付近に明瞭な地下水の流動が確認された。また、それぞれの地下水流動部における水理試験結果によると、G.L.-33m、-35.5m、-41-44m付近は、静水圧分布を示す地下水流動系であるが、G.L.-29m30m、-3031m付近は、それとは別の地下水流動系であることが明らかになった。これらの結果より、地下水観測井戸のストレーナ設置深度は、瑞浪層群明世累層基底礫岩部であるG.L.-28.8533.4m区間とした。
戸井田 克*; 塩釜 幸弘*; 渥美 博行; 升元 一彦*; 安井 信吾*; 阿部 泰典*; 古市 光昭*
JNC TJ7440 2000-006, 137 Pages, 2000/02
東濃地科学センターにおける地層科学研究では,地質環境の調査技術・調査手法を開発することを目的として,広域地下水流動研究,超深地層研究所計画を進めている。これらの計画では,主に地表から地下深部に至る花崗岩中の地下水の動きを対象にしており,そのための大きな課題は,できるだけ少ない調査量で高精度に地質環境を把握するための合理的手法を確立することである。統計解析手法は,地下に埋蔵する資源量の評価など他の分野において用いられてきた数学的な方法である。本業務ではこの手法を試錐データの解析に適用し,その有効性を確認した上で,この手法を取り入れた定量的地質環境モデルの構築を提示するものである。平成11年度には,以下の項目を実施した。1.限られた数量の実測データから得られた地質環境特性の空間的不均一性の情報に付随する不確実性を,定量的に評価する統計解析手法の明確化 2.東濃及び他地域の例における上記手法の試用及び適用性の調査 3.国内外の調査・検討事例の調査及びこれらとの比較による上記手法の合理性の確認 4.上記の統計解析手法を反映した定量的な地質環境モデル構築の要領案の作成
松岡 永憲*; 田上 博彰*; 藤井 真*; 山本 泰司*
JNC TJ7440 2000-002, 74 Pages, 2000/02
核燃料サイクル開発機構が実施している東濃鉱山の堆積岩に掘削された坑道周辺の水理地質環境研究の一環として、平成5年、6年に開発された間隙水圧計測システムを補修・整備及び部品の一部追加製作を実施し、東濃鉱山北延NATM坑道(西側)から掘削された99SI-06孔及び99SI-07孔に設置した。このシステムは、任意の角度に掘削された孔径76mmの試錐孔を対象とし、最大設置深度は50mである。また、本装置は同一試錐孔内で最大5個のパッカーによって区切られた6区間の間隙水圧を同時に測定可能である。99SI-06孔及び99SI-07孔に見られた岩質は、軟質な細粒砂岩及び粗粒砂岩が主体であり、一部試錐孔内径が拡がっていたり、削孔により孔壁付近が軟弱化している可能性も懸念された。測定区間を区分するパッカーは、孔壁状態を考慮してその設置深度を決定し、所定の深度に設置した。このシステム設置直後及び約2ヶ月後の間隙水圧値は、99SI-06孔と99SI-07孔共に試錐孔口から孔底に向かって増加する傾向を示した。
濱 義昌*
JNC TJ7420 2000-001, 14 Pages, 2000/02
東濃地科学センターにおいては東濃鉱山における研究や開発の行為が周辺環境に及ぼす影響の有無を把握すると共に自然環境下においても起こりつつある変化の状態を認識するための鉱山周辺の環境調査を,調査坑道の開坑前の昭和46年度以来,継続して実施している。この調査においては,東濃地科学センターが測定したデータと比較するために,調査坑々内のラドン及びその娘核種の濃度の測定を行うと共に,調査坑周辺の大気中の粉塵,河川水,飲料水,土壌の試料を採取しウラン,ラジウム等の含有量分析測定を行った。本年度の調査結果を見る限りでは自然状況による変動はあるものの鉱山の影響は見られなかった。
佐藤 稔紀; 谷口 航; 藤田 朝雄; 長谷川 宏
JNC TN7400 99-011, 36 Pages, 1999/12
わが国における地下深部の岩盤が有する一般的な熱的および力学的性質を理解するため、文献調査および釜石鉱山と東濃鉱山における調査・試験によりデータを収集し、岩種ごとの物性の頻度分布や物性間の相関関係などについて検討した。その結果、岩石の熱物性および力学物性について、岩種ごとの頻度分布を把握した。また、従来より示唆されてきた物性間の相関関係との整合性が確認された。新第三紀堆積岩では深度の増加とともに一軸圧縮強度などが増加する傾向が認められた。岩盤の初期応力については、文献調査の結果を取りまとめ、鉛直応力は単位体積重量の勾配で線形近似できること、水平面内平均応力と深度の関係も線形近似できること、および、側圧係数(水平面内平均応力と鉛直応力の比)は浅部では大きな値を示し、震深度の増加に伴い、深度500m程度より深くなると1より小さい値に近づくことが認められた。
長谷川 健
JNC TN7400 2000-004, 21 Pages, 1999/12
東濃地科学センターでは、地層処分研究開発の基盤である地層科学研究の一環として、広域地下水流動研究を平成4年度から実施している。広域地下水流動研究は、東濃鉱山を中心とした約10km10kmの地域(図1参照)を対象に、地下水の流れを明らかにするための研究のみならず、地質・地質構造、地下水の地球化学などの分野の研究を包含した総合的な地質環境を把握するための調査研究である。この研究においては、地下深部のデータを直接取得できる試錐孔を用いた調査研究が非常に重要であり、地下深部の地質や地質構造に関する調査研究、地下水の流れに関する調査研究、地下水の水質に関する研究など1本の試錐孔を用いて多角的に実施されている。本報告書は、広域地下水流動研究のため試錐孔として4番目に掘削されたDH-4号孔で行われた試錐掘削ならびに各種調査研究の結果の概要をまとめたものである。DH-4号孔では泉町河合地内に掘削され、掘削深度は約550mである。詳細な位置については、図1を参照されたい。
井尻 裕二; 澤田 淳; 坂本 和彦*; 亘 真吾; K.E.Web*; 中島 研吾*; 野邊 潤*
JNC TN8400 99-092, 91 Pages, 1999/11
高レベル放射性廃棄物の地層処分における天然バリアの性能評価においては、我が国の岩盤を亀裂中の流れが支配的な亀裂性岩盤と岩石基質内の流れが支配的な多孔質岩盤に分類し、それぞれに対して亀裂ネットワークモデルを用いた核種移行評価手法と不均質連続体モデルを用いた核種移行評価手法を開発した。本書は、後者の多孔質岩盤モデルによる核種移行評価手法とその評価結果について報告するものである。多孔質岩盤モデルに関しては、東濃鉱山の新第三紀堆積岩で測定されたデータに基づいて不均質連続体モデルを構築し、核種移行解析を実施した結果、Se-79やCs-135が支配的な核種となることがわかった。多孔質岩盤モデルに対するパラメータの感度を評価するために1次元均質モデルを用いて感度解析を実施した結果、有効間隙率が解析結果に及ぼす影響は小さいのに対し、透水係数が結果に及ぼす影響は大きいことがわかった。また、岩種では泥質岩・凝灰質岩よりも砂質岩の方が、地下水では降水系地下水よりも海水系地下水の方が分配係数が小さく核種移行率が大きくなることがわかった。さらに、亀裂だけでなく岩石基質中の流れも有意な亀裂性岩盤と多孔質岩盤の特性を併せ持つ一部の新第三紀堆積岩に対して亀裂性岩盤モデルと多孔質岩盤モデルの重ね合わせにより評価を実施した結果、多孔質岩盤モデルよりも亀裂性岩盤モデルの方が保守的に評価されることがわかった。本書で得られた結果は、東濃鉱山の深度数10mから200m以浅のボーリング孔で得られたデータに基づいた結果であるため、実際の処分深度500mでは岩盤の透水性はさらに低くなり、核種移行率もさらに低減されると考えられる。
近藤 量彦*
JNC TJ7420 98-003, 85 Pages, 1998/08
動力炉・核燃料開発事業団では、東濃地域に掘削した試錐孔を利用して、各種の調査・試験を実施している。これらの調査結果をデータベース化し、東濃地域の水理地質構造を正確に把握するためには、調査・試験に利用している試錐孔の正確な位置を把握する必要がある。そのため、本業務では東濃地域に点在する試錐孔38点について、その緯度・経度および標高を精度10cm以内で測量し、各試錐孔毎の成果表と試錐孔位置図を作成したものである。測量方法としてGPS測量方式とトータルステーション測量方式を併用し、作業地域周辺の国家三角点および水準点を基準に試錐孔の位置を決定した。各試錐孔の位置精度は、水平位置および標高ともに10cm以内であり、各種の調査・試験等に利用する位置データとして十分な精度を確保していると考えられる。
板本 昌治*; 田仲 正弘*; 丹野 剛男*
PNC TJ7592 98-001, 166 Pages, 1998/03
地下に空洞を施工した場合、空洞周辺の岩盤に種々の影響が生じることは良く知られており、中でも岩盤のひずみや応力場に与える影響は、空洞の設計・施工を行う上で重要かつ不可欠な問題である。動力炉・核燃料開発事業団では東濃鉱山北延NATM坑道において、坑道の機械掘削による影響評価試験の事前・事後調査の一環として、1994年に初期応力状態を、翌1995年1996年に掘削前・中・後の連続したひずみ挙動や応力変化および二次応力の測定・解析を応力解放法(電中研式8成分ひずみ計埋設法)により実施した。しかしながら、1996年の掘削直後のオーバーコアリング供試体において実施したひずみ感度試験で特異なひずみ挙動が確認され、その原因として掘削の衝撃によるマイクロクラックの発生等が考えられた。そこで今年度は掘削衝撃のない状態で坑道近傍における二次応力状態を応力解放法により測定・解析を行った。この報告書はその測定結果をまとめると共に、既往結果との比較により二次応力の値、解析方法の妥当性を検証し、軟岩地山における応力解析法の測定手法の適用性について評価したものである。測定の結果、二次応力は掘削坑道壁からの距離ごとに示すと、0.5m地点: X=-2.47, Y=-2.33, Z=-3.70, YZ=-0.18, ZX=0.26。1.0m地点: X=-2.32, Y=-2.15, Z=-3.28, YZ=-0.12, ZX=0.14。1.5m地点: X=-2.95, Y=-2.58, Z=-3.37, YZ=-0.06, ZX=0.33となった。また、測定条件により精度に差が生じるものの、軟岩地山における応力解放法による計測手法は充分適用できるものと判断された。
河辺 文雄*
PNC TJ7308 98-004, 53 Pages, 1998/03
本業務は、月吉断層とその周辺の水理学特性を把握するために、東濃鉱山NATM連絡坑道の水平試錐孔(TFA-1号孔)で低圧ルジオン水理試験を行い、月吉断層とその周辺岩盤の透水性の不均質性を定量的に把握することを目的としている。本業務では、低透水域を自然水頭に近い範囲での測定が可能な低圧ルジオン水理試験装置を用い、試錐孔内の5区間で間隙水圧測定、低圧ルジオン水理試験装置による透水試験を実施した。その結果、試験区間内での間隙水圧は0kgf/c㎡で、透水係数は110-5510-7cm/secの結果を得た。断層周辺では、断層破砕により比較的大きい値を示し、その影響範囲から離れるに従い、透水係数は小さくなる傾向を示した。
not registered
PNC TJ1615 98-002, 5 Pages, 1998/03
東濃地科学センター(旧中部事業所)においては東濃鉱山における研究や開発の行為が周辺環境に及ぼす影響の有無を把握すると共に自然環境下においても起こりつつある変化の状態を認識するための鉱山周辺の環境調査を、調査坑道の開坑前の昭和46年度以来、継続して実施している。この調査においては、東濃地科学センターが測定したデータと比較するため、調査坑々内外のラドン及びその娘核種の濃度の測定を行うとともに、調査坑周辺の大気中の粉塵、河川水、飲料水、土壌、生物等の試料を採取しウラン、ラジウム等の含有量の分析測定を行った。本年度の調査結果を見る限りでは自然状況による変動はあるものの鉱山の影響は見られなかった。
豊島 賢治*; 和久田 孝雄*; 中野 勝志
PNC TN7410 98-001, 37 Pages, 1998/02
動力炉・核燃料開発事業団(以下、動燃事業団と略す)では、深部岩盤中の地下水の流れや地球化学的性質を把握するために、試錐孔において深度1,000mまで調査できる機器と、その調査機器を用いた現場調査を効率的に進めるための支援調査機器の開発が進められている。これらの調査機器開発の一環として平成8年度に、調査機器本体の試錐孔内への挿入や回収、および落雷や降雨などからの保護などの役割を備えた支援調査機器(移動調査システム)を設計・製作した。本システムは、1)計測・管理ユニット、2)メンテナンスユニット、3)昇降ユニット、4)ケーブルドラム搭載ユニットタイプ1(採水試験用)、5)ケーブルドラム搭載ユニットタイプ2(水理試験用)の5つのユニットから構成されており、以下に示す特長を有する。・試験装置を試錐孔内で昇降するための櫓や試錐機が不要である。・車内に計測室、居住設備などが備わっているため、計測小屋などの付帯設備が不要である。・フィールドで試験装置の調整・修理などの保守作業が可能である。・コンピュータ、電源・制御ユニット、ケーブルドラム等が車内に格納されているため、高温多湿、凍結などの気象条件や落雷などから装置を保護することができる。・異常時昇降装置を備えており、試験装置の孔内抑留などのトラブルに対処できる。